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司法試験に合格しても裁判官や検察官、弁護士などになるためには、司法研修所での1年間の修習専念義務が課せられており、これまでは、それら司法修習生に対して国から国家公務員の大学卒初任給相当額の生活費が給付されてきました。
しかし2004
年に裁判所法が改定され、本年11 月からはこの給費制(給与)が廃止され、生活費等が必要な修習生には最高裁判所が一定金額を貸し付ける「貸与制」に変更されることになっています。4年制の大学を出て法科大学院(原則3年)に入り、司法試験に合格してもさらに1年間、親の援助か借金に頼って実務研修を受けなければならないことになるのです。
そうなれば、不安定雇用と低賃金による貧困が拡大し、経済的にゆとりのない家庭が激増しているなかで、法律家をめざす若者が、その向学心を精神的にも経済的にも摘み取られ、法律家を目指すこと自体をあきらめざるをえなくなることが懸念されます。無理して挑戦しても修習期間中はアルバイトが禁止されていることもあって、多額の借金を抱えたまま実務生活をスタートさせなければならない法律家がたくさん生まれることになります。その意味で、この問題は、我が国にまん延しつつある貧困問題、特に、広い意味での教育を受ける機会を多くの人が奪われてしまっているという問題と同様の問題を含んでいると言うことができます。
また「貸与制」への制度変更がこのまま実施されれば、経済的にゆとりある家庭の子女しか裁判官や検察官、弁護士にはなれないという機会の不均等・不平等を助長することになります。その結果、市民感覚からかけ離れた法律家が数多く輩出されることにもなりかねません。
国はすべての国民に均等な機会を保障し、志の高い法律家育成のために、いま一度法律を見直し、司法修習期間中の給費制(給与)を維持・継続すべきです。
他方で法律家は、こうした市民の声を受け止めて、社会における自らの役割をもう一度見つめ直し、貧困問題など弱い立場に立つ人の力となるような活動や、ひとりひとりの命が大切にされる社会の実現のための活動をさらに積極的に行うべきです。
以上により、私たちは、司法修習生に対する給与打ち切りに反対し、以下の点を要望します。
1
国は、司法修習生の修習費用の給費制を存続させるため、裁判所法を改正すること
2
弁護士をはじめとする法律家は、弱い立場に立つ人の力となるような活動や、ひとりひとりの命が大切にされる社会の実現のための活動をさらに積極的に行うこと
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